新海誠のアニメーション作品を2本。
一応、CGの雑誌などで、その名前や成し遂げたことは知っていたのですが、実際に映像を見るのは初めてでした。
インタビューも参照しつつ、感想を。
"ほしのこえ"。AMAZONのレビューにある感想とほぼ同様の感想を持ちました。会社をやめ、映像作りに専念して作り上げた
根性と、映像技術だけに収まらない仕事の大変さが作品に滲み出てきます。その
圧倒的な外的印象によって、ありふれた内容など気にならないし、普通の映画としては見れなかったですね。
"雲のむこう、約束の場所"。上で書いたことと重なりますが、
新海誠という名前が持つ印象が、作品の中身を見づらくしてるような気がします。
客観的に振り返ってみると、空などの風景は凄い奇麗。ストーリーや登場人物は"ほしのこえ"にも通じている感じで、一つのテーマを追いかけているなという印象と、同時に新鮮味はないなと。
並行世界という考えは以前どこかで見たことがある気がしたのですが、ひょっとしたら
村上龍の
五分後の世界だったかもしれないですね。
南北問題って設定は興味深いんですが、個人的にはなんであの境界なんだろうと感じました。
北海道の独立ってリアルじゃないな〜と。
2本見た感想としては、心情の描き方は凄く上手いなって感じました。でも、気になるのはやっぱり作品の背景設定の部分で、なんだか現実的な感じがしないし、かといってSF作品でもないし、半端感が漂って、う〜んって印象です。
友だちは
宮崎駿を超えたって言ってました。確かに青春ものって部分では超えてるかもしれないですが、
宮崎駿が勝負してるのはそこの部分じゃなくて、凄いのは
世界設定・背景であり世界観の部分。
多くの人を惹き付け、何度も見たいと思わせるのはこの部分。でも、あの世界観を作り出せるのはやっぱり歴史・年齢を重ねたからだと思うし、
新海誠がこれから作品を作っていくうちに、その部分でも追いつき超えるってこともあるんでしょうね。
そしてもう一本。
"FINAL FANTASY Ⅶ ADVENT CHILDREN"。まさか見る機会があるとは思ってませんでしたが、急遽見ることに。
・・・まさに圧倒的な映像美。実写+CGで最高に凄かったのは
SW EPⅢや
リディックでしたが、フルCGなら間違いなくこの作品が最高クラスでしょう。
で、なんでⅦなのかって話ですが、上でも書いた
世界設定・背景であり世界観ってのがFFⅦは非常に洗練されてて、ストーリーを構築しやすいってのがあったのでしょう。地球(星)自体のエネルギーという
”資源”を世界観の中心に据えて、
魔晄炉や
ライフ・ストリームといった存在で周りを固めて、そしてディテールを広げていったっていうのが凄く良いと思います。
が、一方で、こっちは逆にストーリーが単純過ぎる感じで、もったいないなと。
しかし、
EPⅢと同じで、映像技術だけでも魅せれる作品は数少ないと思うし、凄い面白かったですね。
まあ、いずれの作品もプロジェクターの大画面で見ると、迫力満点でした。次はアニメーション以外が見たいなと。