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2011/1/7
2011年
ここでブログ回帰ってのもいいんじゃないか??なんてね
散歩する惑星
散歩する惑星_b0053195_11305645.jpg北欧スウェーデンの映画です。CM界から来たというロイ・アンダーソン監督が描く不思議な世界が体験できます。監督自身は普遍的な世界(にいる人達)を描こうとした的なことを言っていましたが、おそらくこの作品の背景にはスウェーデンのコアな部分がかなり含まれていて、日本人である自分一人では解読不能。というわけで監督のインタビューやらレビューやら解説やらを参考にして少し考えてみました。

原題の英訳は"Songs from the Second Floor"。レビューの中では意味深とも言われているこのタイトルですが、監督が語っている「普通の人々への賛歌」というこの映画のテーマ、高福祉国家であるスウェーデンにおけるSecond Life(老後)という概念(この映画では老人だらけの風景が描かれる)、まあ、それに限らず第一の階層(支配者層)にたいする第二の階層(被支配者層)っていう考え方も出来ますし、いろんな捉え方は出来ますが、ここらへんから来ているんじゃないでしょうか。

この作品で描かれるのは、逃げ場を失った人々が抱く閉塞感ですが、個人的に気になったのは作品の背景の1つとして描かれた"福祉"後の世界というもの。老人だけの国になって、その老人達が理想の場所を追いかけて出ていってしまったら、その国には何が残るのか。

この作品は映像というよりも動きのある静止画。監督はセザンヌ「不要なものは取り払え」という言葉を参考にしたと語っていますが、まさに本質だけが残ったアートといった印象ですね。フォン・トリヤ-といい、カウリスマキといい、北欧の監督はおかしな人が多いですね。
そういえば、音楽は元ABBAの人が作ったもので、非常に良かったです。
by to-_go | 2005-08-03 12:07 | MOVIE
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