北欧スウェーデンの映画です。CM界から来たという
ロイ・アンダーソン監督が描く不思議な世界が体験できます。監督自身は普遍的な世界(にいる人達)を描こうとした的なことを言っていましたが、おそらくこの作品の背景にはスウェーデンのコアな部分がかなり含まれていて、日本人である自分一人では
解読不能。というわけで監督のインタビューやらレビューやら解説やらを参考にして少し考えてみました。
原題の英訳は
"Songs from the Second Floor"。レビューの中では
意味深とも言われているこのタイトルですが、監督が語っている
「普通の人々への賛歌」というこの映画のテーマ、高福祉国家であるスウェーデンにおける
Second Life(老後)という概念(この映画では老人だらけの風景が描かれる)、まあ、それに限らず第一の階層(支配者層)にたいする第二の階層(被支配者層)っていう考え方も出来ますし、いろんな捉え方は出来ますが、ここらへんから来ているんじゃないでしょうか。
この作品で描かれるのは、逃げ場を失った人々が抱く
閉塞感ですが、個人的に気になったのは作品の背景の1つとして描かれた
"福祉"後の世界というもの。老人だけの国になって、その老人達が理想の場所を追いかけて出ていってしまったら、その国には何が残るのか。
この作品は映像というよりも
動きのある静止画。監督は
セザンヌの
「不要なものは取り払え」という言葉を参考にしたと語っていますが、まさに
本質だけが残った
アートといった印象ですね。
フォン・トリヤ-といい、
カウリスマキといい、北欧の監督はおかしな人が多いですね。
そういえば、音楽は
元ABBAの人が作ったもので、非常に良かったです。